2017年2月18日土曜日

第24話 「自分で自分を励ます、認める」

 武雄の子どもたちが取り組んでいる計算教材「サボテン」の取り組み状況を確認することがよくある。
 子どもたちはどれくらい伸びているのだろうか、どこでつまずいているのだろうか…。取り組んでいる姿を見ることで分かる子どもたちの成長もあれば、取り組んだ成果を見て伝わってくる子どもたちの姿もある。それは単純に記録(正答数、タイムの増減)ではない。消しては書いて、書いては消して…、と繰り返したことが見て取れるページからは、「これでいいなんて思わずに、取り組んだんだなぁ」という様子が分かる。「確かめをしました」というチェックのしるしからは、「最後まで手を抜かずに、丁寧に確かめていたんだなぁ」という様子が分かる。どちらも、子どもたちの計算に対して前向きに頑張ろうという気持ちが表れている。

 その中で、少し変わっているが、しかし着実にサボテンで大切にしていることが染みついているのだなぁということがあった。
 2年生のサボテンを見ていると、K.Hのサボテンが目に留まった。
 以下の写真のように、毎日毎日自分の頑張りにコメントをつけているのだ。
 記録が伸びた日は、「昨日の自分に勝った!」と書いてある。


 

 ここまではよくある話。
 もちろん毎日記録が伸びることに越したことはない。ただ、その日の体調、気分、問題の数字の大小で、前回に比べて記録が落ちてしまう日もある。ほかのページを見ると、K.Hにもそんな日があった。
 ただ、驚いたことに、記録が伸びなかった日には、以下のようなコメントが書いてあった。



 「ざんねん、こんどはがんばるぞ!」と、自分で自分のことを励まし、明日につなげようとしているのだ。こんなことなかなかできることではない。思わず「すごいなぁ」とうなってしまった。
本人の中で切り替えて、「また明日も頑張ろう!」という前向きに終えることができると、後腐れなく次に移ることができる。「まぁこんなもんでいいでしょ」という軽い気持ちではなく、まずはしっかりと目の前のことに向き合いながら、それでいて、結果がどうであれ、まずは自分の頑張りを認める。自分の中で「今日も頑張ったなぁ」と思えれば、自然と明日も頑張ろうという気持ちにもつながる。

サボテンで大事な「前の自分に勝てるよう、日々頑張る」という学習哲学が、K.Hの中で着実に育ってきている。

1 件のコメント:

  1. このコメントはブログの管理者によって削除されました。

    返信削除