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2018年3月22日木曜日

手作りなぞぺー問題集を6年生にプレゼント!

 武雄市の花まる学園では年間8~9回、各クラスで花まるスタッフによる思考力授業(通称、なぞぺ~授業)を行っています。なぞぺ~授業は、考えることを楽しむ心を育み、論理的思考力・自由な発想力を鍛えることを目的にした特別授業です。


『なぞぺ~』というのは、花まる学習会オリジナルの思考力教材の名前です。迷路や図形問題、論理問題など多種多様な問題があり、それらに「なぞなぞ感覚」で楽しめるように開発されました。

 なぞぺ~授業では、出題された全問を解き終わらせることよりも、その子自身が「この1問を自分で解ききった!」と思えることを大切にしています。クラスの先生や花まるスタッフがヒントをあげる時もありますが、「最後は分かった!解けた!」と思えるようにヒントの出し方を工夫しています。

 『なぞぺ~プリント』には、子ども達が作った問題が出題されることもあります。誰の問題がプリントに掲載されるのかを楽しみにしている子が多く、プリント配付直後は「○○君の問題だ!」「やった、載ってる!」という声がよく聞こえます。ただし、作問は発展課題で、「問題を作ってみたい!」という子だけが挑戦してきました。


 ある小学校の6年生クラスでの先月の『なぞぺ~授業』で、あえて「全員作問」の時間を設けました。4月から彼らの様子を見てきて、秋頃から論理的思考力がぐんと伸びたのを感じていました。やみくもに解き始めるのではなく、どういう道筋で解いたらいいかを考えたり、難しい問題から挑戦したりする子が増えてきたのです。そんな彼らだからこそ、少しレベルアップして「全員作問」に挑戦することにしました。

作問を始める前に『良い問題』のポイントを話しました。

①答え方ができるだけ少ない問題
例えば、ゴールまでの進み方が何通りもある迷路よりも、一通りしかない迷路方が良い問題です。

②「答えが絶対に決まる場所」を順番に解いていけば、必ず解ける問題
「なんとなく」ではなく「このマスには3しか入らないから」というような、「答えが絶対に決まる場所」を見つけ、丁寧に詰めていけば解けるのが良い問題です。

③誰に解いて欲しい問題かレベル設定されている問題
難しければ良い問題、というわけではありません。「簡単」「難しい」という感じ方は人によって違います。1年生にちょうど良いレベルの問題は、5年生によって簡単すぎてつまらない問題かもしれません。どんな人に解いて欲しいかで、問題の作り方は変わります。問題のレベルを調整する方法の一つは「絶対に決まる場所」の多さを変えることです。決まらない」ということは、それだけ場合分けを繰り返し、丁寧に詰めていかなければいけません。

 いざ作問に取り組み始めると、良い問題のポイントをどう押えるか、書いては消しを繰り返しながら試行錯誤する姿が見られました。
 ある女の子は低学年向けの図形問題を作っていました。作問の方法自体はとても簡単なのですが、どうしたら低学年の子にとって簡単すぎず、難しすぎない問題になるか一生懸命に考えていました。その結果、彼女の机の上には消しカスの山が…。
 スクエアパズルを作っていた男の子は、別解のない問題になるように何度も解きなおしていました。実は一カ所、別解ができるマス目があるのですが、ここまで考え抜いた過程が立派です。
 作問の面白さにはまり「もう1問作ってみます!」と作問シートをもらっていく子が多く、多めに用意していた用紙は授業終了と同時になくなりました。


 子ども達から提出された問題を実際に解いてみると、彼らなりの工夫がよく分かります。全部で約50問集まった問題、1つ1つが「良い問題」にこだわって作ったことが伝わってきました。

 そんな50問を1冊の問題集にして、6年生にプレゼントをしました。『なぞぺ~授業』で積み重ねてきたものがギュっと詰まった1冊です。表紙は担任の先生が今まで誕生日プレゼントとして描きためてきた、子ども達の似顔絵を使わせていただきました。
 問題集をプレゼントした後、ある女の子がこんなことを言っていました。

「中学生になっても、なぞぺ~の問題を作って妹に預けるね。」

 卒業生からの、なぞぺ~出題が今から楽しみです。 
 武雄市の6年生の皆さん、卒業おめでとうございます!

2018年2月22日木曜日

2月20日(火)1~3年生で青空協室を行いました!@朝日小

220日(火)朝日小で青空協室を行いました。

朝日小は全校生徒数が多いこともあり、今年度は「13年生」と「46年生」で分けて、青空協室を行っております。この日は「13年生」だけで青空協室を実施しました。


今回のプログラムは「シャッターチャンス」。
出されたお題にまつわる光景を、班全員でアイデアを出し合って表現します。

※今回のお題・・・「お正月」「冬のオリンピック」「節分」「お昼休み」「そうじ時間」

演じるときは「止まった状態で表現する」「言葉を発してはいけない」の2つのルールがあります。

これらのルールのもと、子どもたちは「どうやったら見ている人にわかってもらえるような表現を作れるかな?」と話し合って、練習をして、発表をします。


子どもたちが相談・練習できる時間は10分間。
短い時間で班全体の意見をまとめ、練習をし、完成させることは簡単なことではありません。

子どもたちの様子を見ていると、
・「『お昼休み』にみんなどんなことをやっている?」と12年生に積極的に話をふる3年生が増えていたこと
・「『冬のオリンピック』だから、『スケート』とか『カーリング』があったらわかりやすいよね」と、自分から意見を出そうとする12年生が増えてきたこと

など、チームとしてのまとまりが強くなってきている姿がたくさん見られました。



上の写真は、「そうじ時間」を表現しようとして、練習をしているところです。
この写真を見せたところ、このチームの子どもたちからは、
「ぞうきんを持っている子どもたちは、もっと顔を上げたほうがいいんじゃない?」
「ほうきを持っているチームは、どうやったらもっと『ほうき』をもっているように見えるかな?」
と、話し合いが活発になりました。


やるからには、もっといいものを見せたい!

そんな気持ちが伝わってくるような話し合いが、子どもたち主体で行われていることは、本当にすごいことです。



↑この写真は何を表現しているかわかりますか?ヒントは、一番左にいる男の子の手の形です。


年度当初こそ、なかなかチームとしてまとまりきれない時もたくさんあった子どもたちですが、一緒に活動をし、一緒に目の前の課題を解決していく中で、チーム意識が芽生えてきている姿がたくさん見られた今回の青空協室。
参観に来られていた方々も、子どもたちの成長をたくさん感じておられました。


次年度は、子どもも大人も一緒に知恵を出し合って取り組めるような、青空協室を実施していく予定です。




(参観された地域の方、保護者の声の抜粋)
3年生も慣れてきたようで、1年生をうまくリード出来ていました。5月から毎回来ておりますが、今回が一番まとまりよく、活動できていると感じ、成長を感じました。来年も楽しみにしています。
●「この班のお題は何ですか?」「冬のオリンピックです」ときちんと答えてくれる子どもたち。青空協室にも慣れ、みんなで考えている様子に成長を感じました。何回か見に行くと、子どもたちから「私たちのを見て!」と言ってくれます。とても嬉しいです。また来年の青空教室を楽しみにしています。
●子どもたちなりに、いいアイデアが出ているところが多かった。3年生が12年生をリードして感心しました。「冬のオリンピック」では「カーリング」が多かったですね。フィギュアスケートが多いかなぁと思いましたが…。ありがとうございました。
3年生が話をまとめ、一生懸命お世話していて成長を感じました。お題も色んな案が出ていて面白かったです。また、最後にはみんなが見ている前で、活動の感想もしっかり言えて、すごいなぁと思いました。今日はありがとうございました。

2018年2月8日木曜日

2月8日(木)青空協室@武内小学校~6年生との最後の青空でした!~

2月8日(木)武内小にて今年度最後の青空協室を実施しました。

今回のプログラムは「ジェスチャー合戦」。
「やさしい」「はやい」「かたい」などの形容詞を、言葉は使わず、ジェスチャーを使って、班全員で表現します。

発表する前に、くじで引いた「形容詞」から連想できる場面を、班全員で相談し、練習します。


このときの5,6年生のリーダーシップはさすがの一言。
「これをやって」と指示を出すだけではなく、「こういう風な動きをすると伝わりやすいよ」と、具体的な言葉で、また動きも駆使しながら、下級生にレクチャーする姿がたくさん見られました。

また、下級生からも「こんな動きはどう?」とアイデアが出てくる場面もたくさんありました。
色々な場所で、自分から積極的に意見を出せるようになってきていることは、成果の一つです。


さぁ、発表タイム。皆さんは、子どもたちが何の形容詞を表現しているか、わかりますか?





決して恥ずかしがらず、班で考えたものを堂々と表現する姿がとても印象的でした。
5,6年生が中心となって、引っ張ってくれた表れです。
6年生、今年1年、先頭に立って、背中と言葉で引っ張ってくれてありがとうございました!みんなの姿が下級生の取り組む姿勢にしっかりと伝わっていましたよ!


※ちなみに、上の映像は「かたい」を表現したものでした。

2018年1月31日水曜日

1月31日(水)山内東小にて 花まるタイム研修2回目

本日は、4月から「官民一体型学校」としてスタートする山内東小学校で花まるタイムの研修を行いました。


1回目の研修で花まるタイムの哲学、中身について、花まるスタッフより、レクチャーしました。

1月中旬から下旬にかけ、山内東小では、花まるスタッフが先生役となって、各学年・各クラスを順に周り、花まるタイムの体験を行っていました。

レクチャーと体験を経て、先生方は花まるタイムの流れ、雰囲気をしっかりとつかんでいただいたうえで、今回は「花まるタイムを進める」立場として、研修を受けてもらいました。



 花まるタイムでブラしてはいけないポイント、花まるタイムの目的の再確認を行った後、2名の先生に、実際進める役をやってもらいました。


なんと、校長先生も実演!
校長先生のはつらつとした声、頑張りを認めてくれる声掛けに、子ども役の先生方も自然とついていくような、楽しい雰囲気の中、研修を行うことができました。

今後、山内東小では各クラス、先生方が少しずつ花まるタイムの実践していきます。
来春からの本格スタートに向けて、着実に準備が進んでいるところです。

2018年1月30日火曜日

1月27日(土)花まるサムライ合戦 ~武内小 新春の陣~

提携している武雄市の小学校の一つ、「武雄市立武内小学校」にて、127日(土)に公開授業が行われた。

そこで公開した青空協室の活動で、今回は花まる学習会のサマースクール等でも大人気企画の一つである「花まるサムライ合戦」を実施。

武内小の子どもたちがこのサムライ合戦を行うのは2回目。

1回目を行ったのは11月。合戦後日、子どもたちにアンケートを採ったのだが、9割以上の子たちが「絶対にまたやりたい!」と回答していた。
また、数値的な結果のみならず、子どもたちの声からも、充実した活動であったことが伝わってきた第1回目であった。

(子どもたちの声)
2年生男子】
1回戦はまけたけど、2回戦は1234年生がはしっこに行って、56年生は真ん中から行って、てきがはしっこにきて、真ん中のてきがいなくなったから、はやくたおせました。
5年生女子】
とっても楽しかったです。理由は、紙風船を割れたし、下級生も楽しそうにやっていたからです。それに、これをやると、チーム力がもっと深めるからです。またやるなら、違うチームでやってみたいです。


子どもたちが楽しみにしていた中で行った2回目。
限られた時間での実施ではあったが、1回目から成長した姿をたくさん見せてくれた。
 

【変化ポイントその①】
~攻撃技術の向上から見えた「考える姿勢」~

例えば、一人ひとりの攻める姿勢。前回に比べ、むやみやたらに刀を振り回す子はほとんどおらず、相手のスキを見て攻めていた。時には、正面に向き合うのではなく、死角からスーッと入って「パン!」と一撃で仕留める子もいるくらい。
突っ込んでいくのではなく、「どうやったら勝てるのか」をしっかりと考え、実行する姿勢。この姿勢がそれぞれの中で高まっていることがしっかりと見てとれた。

【変化ポイントその②】
~主体的な攻め、守りから見えた、子どもたちの「よし、やってやろう!」という意志~

普段の青空協室同様、16年生の男女が混ざって戦いを繰り広げたサムライ合戦。

1年生だから、6年生だからというような、特別ルールは基本設けずに実施。
もちろん、1年生と上級生では体格差はある。ただ子どもたちは、そんなもの気にせず、どんどん攻めていく。
1、2年生の男の子も女の子も、攻撃隊に入ってどんどん攻め、上級生の風船をどんどん割っていく。その光景は圧巻であった。

56年生の女の子たちも負けずすごい。守備隊として引きつつ、スキを見つけると、一気に敵陣に駆け上がり、相手の大将をめがけて戦っている。

守備隊にいる子たちも、「怖くて前に行きません…」というわけではなく、相手が攻めてきたら率先して相手と戦おうとする。一時、「状態が良くないなぁ」と思えば、一度引いて、立て直し、そしてまた攻めに転じる。

自分の役目を意識し、そしてそれを全うしようと戦いに行く姿勢。彼らの姿を見ていると、「よし、やってやる!」と自らを奮い立たせて進んで行く「意志の力」が着実に育ってきていることがはっきりと見えた。

 
怖いから無理、相手の方が大きいから無理…、と諦めることはしない。
悲観的にならず、「じゃあ、どうしたら勝てるんだろう」と、自分にとっても、仲間にとっても嬉しい未来に向かって、頭を動かし、やってみる。うまくいかなくても、そこであきらめず、いったんは引きながら、またやってみる。

サムライで見せた彼らの姿は、社会に出たときに間違いなく必要となる思考の土台。
○みんなにとって最高の未来に向かって突き進んでいく意志。
○そのためにどうしたらいいのか考え、行動してみる姿勢。
 
「こうすれば絶対に上手くいく」という保証はない。大事なことは、そんな状況でも「やってみる」意志、姿勢を貫き続けられるかどうか。貫きつづけたからこそ、少しずつ道が見えてくる。それがあるから次につながるのだ。
 

11月にサムライをやってから時間は経っていない。間がなかったことも、子どもたちの姿に大きな影響を与えていたことの一因だろう。それでも、このサムライ合戦で、子どもたちがまた一つ大きくなったことは間違いないだろう。

2018年1月24日水曜日

1月24日 青空協室@橘小学校 ~学校の外でやってみよう!~

 橘小学校での今年度最後の青空協室を行いました。今まで青空協室は校内で行っていたのですが、2017年度の集大成として、初めて校外での活動に挑戦しました!


【青空協室とは…?】
 教科の枠に捉われずに、集団での課題解決型学習に重点を置いた様々なプログラムを行います。異学年混合の班で活動するのも特徴で、学年関係なく意見を言い合い、協力しながら自分達でどのように課題にアプローチするか決めていきます。同時にプログラムを通して自分達の学校・地域を色々な視点で見て、郷土愛を育むことも目的にしています。

 今回は学校から徒歩10分程の場所にある小野原(おのばる)地区という場所で活動しました。プログラム名は『ピクチャーリーディング』。白黒で印刷された写真をもとに、それがどこなのかを探します。
 例えば、ある班にはこんな問題用紙が配られました。

 C④は防火水槽の写真です。正解の場所に行くと封筒が置いてあり、クイズに答えてこの問題はクリアになります。ちなみにここのクイズは「ここの水は火事のとき、火を消すためにつかいます。火を消すためにもう一つ必要なものが、青空教室の活動範囲内にあります。それはなんでしょうか?」でした。
 少し歩くと…消化用ホースを発見!


 実は今回の活動では、保護者の方や地域の方にも参加していただきました。子ども達だけで解くのが難しい時は、大人の人に聞いてもOKというルールです。プログラムを通して、地域の方とコミュニケーションをとりながら、色々なことについて学ぶことができました。小野原地区外から参加された方は、子ども達との会話から「こんな場所にこんなものがあったんだ!」と新たな発見をされているようでした。




 
 全問クリアした班はスペシャルクイズに挑戦!
 これは小野原公民館に置かれているものです。何に使うでしょうか?

 答えは大豆などをすりつぶす、石臼です。学校の授業で使ったことがある高学年の子ども達は得意気に、低学年の子に教えてあげていました。





 最後は小野原地区を守る、学道の神「天神様」に挨拶をして終了です。
 2018年度の青空協室は、より一層地域との関わりを大切にした活動を予定しています。

2017年12月8日金曜日

12月7日 青空協室@東川登小学校

 東川登小学校で、今年4回目の青空協室がおこなわれました。

【青空協室とは…?】
教科の枠に捉われずに、集団での課題解決型学習に重点を置いた様々なプログラムを行います。「こうしたらどうだろう?」と試し、上手くいかなければもう一度考えて試すというサイクルを、体を動かしながらゲーム感覚で実践します。異学年混合の班で活動するのも特徴です。

今回行ったプログラムは、
①ジェスチャー合戦
②スーパー言葉ハンティング
の2つです。

 実はどちらも、以前行ったことがあるプログラムの発展版。 
毎回新しいことに挑戦するのも楽しいのですが、やったことがあるプログラムの難易度をあげることで、子ども達の工夫の仕方や視点が深まっていきます。

 ジェスチャー合戦では、お題として出された「やさしい」「かたい」などの形容詞が当てはまる状況を自分達で考えて、お題の言葉を言わずに演じて見せます。
 「どんな時にこの言葉を使うか?」と考えることで、1つの言葉がもつ意味の多様性に気がつくことができます。
 お題が『高い』だった班では、「何か高いの?」と話し合われていました。「声」が高い、「背」が高い、「高い」ところに物がある…。最終的にこの班は演じやすさを考えて、「値段」が高い、にしていました。


 ここでクイズです。
この班のお題は何でしょうか?
答えはこの記事の一番最後に書いてあります。



 スーパー言葉ハンティングは、学校の掲示物からひらがなを探して、言葉を作るプログラムです。
 
 例えば「3文字のくだもの」というお題に「りんご」と回答したい時は、『り』『ん』『ご』の3文字を掲示物から探さないとクリアになりません。ただし、一度写真に撮ったところのひらがなは、2回使うことはできません。次のお題でまた『り』を使いたければ、別の『り』を探す必要があります。
 学校の中にひらがなはたくさん隠れています。お目当ての一文字を見つけるために、「し!し!し!」と言いながら探し回る子が学校中をうろうろしていました。低学年でも自分でできることを考えて、積極的に参加していました。

 写真のお題は「4文字の文房具」で、子ども達が考えた答えは「こんぱす」でした!


【ジェスチャー合戦答え】
正解は『かゆい』。
花火を見ていた女の子2人に蚊が近づいてきます。
パチン!と数匹やっつけますが後ろから刺されてしまい、かゆそうに腕をかいていますね。

2017年11月8日水曜日

11月7日 武雄市立朝日小 花まる公開日

   117日(火)に武雄市立朝日小学校にて、花まる公開日が行われました。
 多数の参観者の中には、熊本・名古屋の大学からの視察者、次年度より官民一体型学校事業をスタートさせる武雄市内の小学校の先生もおりました。

まずは15分間の花まるタイム。
朝日小では同取り組みが2年目を迎えておりますが、子どもたちの活気、集中力、メリハリは回を追うごとに高まってきており、参観者からは驚きの声が多数上がっていました。

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(6年生の様子を見られた参観者より)

「パターンメーカー、高学年であることもあり、すごくテキパキと形を再現しているな、と驚きました。難しい問題であるほど、子どもたちがイキイキと解いているなぁと思いました。子どもたちが一生懸命頑張っている姿が印象的でした。」

(3年生の様子を見られた参観者より)
「今年度他地区から来た教員です。3年生の様子を参観しました。とっても元気いっぱいでびっくりしました。15分の短い時間の中で、子どもたちはテキパキ行動しているから、3つのことができるのだと思いました。
子どもたちが楽しく学ぶ姿がいいなと感じました。私もこれから花まる学習に取り組みますので、参考にさせていただきたいと思います。ありがとうございました。」

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 その後、13年生は「青空協室」、46年生は「思考力授業」の公開を行いました。
 
 今回の青空協室のプログラムは「タワータワー」。子どもたちは自分たちの持ちものを事前に3つ選んで持ってきて、各班それらを使って、タワーを作り、その高さを競っていきます。

 1回の練習時間をとって、その後2回の本番タイムを設けました。
 練習と本番1回目は、「とりあえず高くしよう!」と物を積み上げるあまり、バランスに意識が行かず、どうしても崩れてしまう班が多数ありました。
 諦めてしまう班も出てくるかな?と思った場面もありましたが、そこから子どもたちは底力を発揮。
 
 「ランドセルを下に固めて置こう!」


 「シューズは『ジェンガ』みたいに置くと安定する!」
 「算数セットの中のマッチ棒を組み合わせて最後に乗っけると、高さが一気に上がるよ!」

 試行錯誤を重ねながら、班全員の知恵を集結させて、最適な重ね方を見つけていく様子が多数見られました!

 








  46年生では「思考力授業」を実施。花まる学習会の教室でもおなじみの「なぞぺー」「たこマン」「アルゴ」を扱った授業を行いました。

 5年生のAさん。めいろに苦戦し、「うわー!できなーい!」とぶつぶつ言いながらも、口元は笑って楽しそう。机に突っ伏しては問題を解き直す、と時間いっぱい繰り返していました。

 6年生のBさん。終了のチャイムが鳴ったとき「こういうの、解ききらないとすっきりしなーい!」と悔しそう。挨拶が終わった後、休み時間を使って頑張って解いたようで、最後私のところに持ってきてくれました。

 これらの子どもたちの様子からも分かる様に、どのクラスも時間いっぱい楽しく、粘り強く考えられていました。


○●武雄市教育改革ブログでも紹介されています●○

2017年10月10日火曜日

10月4日 西川登小学校公開日




 10月4日に西川登小学校で花まる公開日がありました。
今回の公開日は授業参観も兼ねており、多くの保護者の方が参観にいらっしゃいました!

 15分間の花まるタイムでは、いつも通り元気いっぱいの子ども達。
花まるタイムが終わった後は地域の方とハイタッチをしますが、今日はお父さん・お母さんとも!





青空協室のプログラムは「どっちが多いでショー!」。学校の中にある色々なものの数を比べました。

①何の数が聞かれているのか正しく読む力
②正しく数える力
③簡単な数え方を工夫する
④班の仲間と役割分担する
という4つが今回のプログラムのポイントです。

 例えば、『理科室にある椅子と、家庭科室にある椅子では、どちらが何脚多いでしょうか?』という問題。チームワークよく、まとめて置いてある椅子を数える役割と、他に椅子がないか探す役割に分かれて活動する班がありました。「ここにも1脚あるよ!」と机の影に隠れた椅子をばっちり見つけて正解!
 異学年混合であることを活かして、低学年の子が数えた後に、高学年の子がもう一度確認する工夫をしていた班もありました。

 1~6年生、全員がそれぞれの役割を持って楽しめた青空協室でした! 

●○武雄市の教育改革ブログでも紹介しています○●
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2017年8月29日火曜日

第一回 職員研修@山内東小学校

 2018年度から官民一体型学校として取り組みが始まる、山内東小学校で8月28日に第一回の職員研修を行いました。

木製ブロック『キューブキューブ』を
教え合う先生方


「今まで他校の公開日で花まるタイムを見て雰囲気は知っていたが、声を出す意味など、仕掛けを知ってなるほどと思った。大人でも他の人(チームの仲間)に教えてもらったり、助けてもらえたりすると嬉しかった。子ども達にもそういう気持ちを味わってほしい。」
と研修の終わりに感想をいただきました。
 


協力してブロックを完成させました 

 研修が終わったあとは、数名の先生方が頭をよせあって、思考力教材『なぞぺー』の解き方について話し合う姿がありました。
「この問題はここから考えると…」と、確実に正答にたどりつく解法・手順を議論していました。

 山内東小学校で『なぞぺー授業』が始まるのは秋以降ですが、今から楽しみです!

2017年8月22日火曜日

第一回 職員研修@山内西小学校・北方小学校

 2018年度から官民一体型学校としてスタートする学校で、第一回職員向け研修を行いました。

 8月7日に山内西小学校、8月21日に北方小学校で実施いたしました。

「そもそも花まる学習会ってどんな塾なのか」
「武雄市で行っている花まるタイムは何を目的にしているのか」
花まるメソッドの理念をお話ししたあとに、花まるタイムを子ども役になって体験していただきました。
 最初は少し恥ずかしそうに「できた!」「イエイ!」と言っていた先生方も、研修の最後には笑顔で声を出していました。

立体ブロック「キューブキューブ」の体験(8月7日 山内西小学校)

 質疑応答ではどちらの小学校でも先生方から、「担任をしているクラスで花まるタイムを実施したら…」と具体的な質問をいただきました。その場で回答できるもの、クラスの様子を見てから対応策を考えたほうがいいもの様々でしたが、目の前の子ども達のためになる方法を先生方と協力して作り上げていきます。

書写教材「あさがお」の体験(8月7日 山内西小学校)
「キューブキューブ」の体験(8月21日 北方小学校)

 


2017年7月26日水曜日

7月26日 官民一体型学校公開授業@武内小学校

7月26日(水)に武内小学校で官民一体型学校公開授業が行われました。


なぞぺー授業は、担任の先生がメインとなって授業を進めていました。
 子ども達が「やりたい!」「できるかも!」と思うような声かけ、テンポで進む授業。言葉にせずとも先生方から感じる「この問題、面白いんだよ!」という雰囲気が何よりも印象的でした。前に立つ先生が楽しそうだから、子ども達も「やりたい!」と感じるのですね。


 公開授業の後には、東洋大学の斉藤里美教授による講演会「AI時代の学校で学ぶべきこと」がありました。講演会の中で、人工知能がより発達した社会において、人=先生だから学校で子ども達にできることは、「活き活きと学ぶ土台を作ること、一人ひとりの意欲や主体性を引き出すこと」という話がありました。まさに、今日のなぞぺー授業で先生方が実践していたことです。

◯🌑武雄市の教育改革ブログで当日の様子がより詳しく見られます🌑◯
武雄市の教育改革ブログ

2017年7月24日月曜日

第31話「一人で考えるより」(花まる:富永)

今年度から官民一体型学校が始まった武雄市立西川登小学校で、2回目の青空協室が行われました。

青空協室では、教科の枠に捉われずに、集団での課題解決型学習に重点を置いた様々なプログラムを行います。「こうしたらどうだろう?」と試し、上手くいかなければもう一度考えて試すというサイクルを、体を動かしながらゲーム感覚で実践します。「青空」なので屋外での活動に思えますが、天候やプログラム内容に応じて、広い場所であれば体育館でも行えます。活動形式にも特徴があり、異学年混合の縦割り班で実施します。そうすることで、仲の良い友達とだけでなく、色々な人と一緒に力を合わせる経験をするのです。また、毎回異なるプログラムを行うため、子ども達はその場で初めて聞く内容に対して知恵を振り絞って取り組みます。もちろん、学校の先生達には事前にプログラムの目的やルール、当日の流れなどを共有しておきます。


今回行ったプログラムは『ぴったりメイキング』。物差しやメジャーなどを使わずに3mの長さ、50cmの高さを測ります。他の小学校でこのプログラムを行った時、大人がヒントを出さなくても、自分たちの身長や足の大きさを利用して長さや高さを測っていました。高さ編では50cmを測るだけでなく、身の回りにある物を積み上げて50cmのタワーを作らなければいけません。50cmに近づけるため、何をどういう順番で積み上げるかも活動のポイントになります。


このプログラムの説明を先生方にしたとき、「身の回りの物とは、例えばどんな物ですか?」という質問が出ました。活動場所が校庭であれば、石や木の枝など自然物を使えます。けれど、雨天のため体育館での活動になると、使えるものは上履きやタオル、活動のために持ってきたバインダーぐらいに限定されてしまいます。それでも「50cmに近づけるため、どう積み上げるか」という視点で取り組めば意味がある、ということで一度話は終わりました。

さて、いよいよ迎えた当日。生憎の天気のため、活動場所は体育館に変更。すると教頭先生から、「やっぱり体育館だと使える物が少なすぎてつまらないよね。」と声をかけられました。何か良い手立てはないかと話していると「『教室にあるもの何でも使っていい』だったら面白いのに。」と斬新な意見が出ました。とても良いアイディアなのですが、『何でも使っていい』は安全管理が難しくなるため却下されました。

 そこで『体育館から一番近い12年生の教室から3つだけ、各班好きなものを持ってきてもいい』というルールを提案しましたが、今度は教務主任の先生が「教室の物だと担任の先生が困ってしまう。」とおっしゃいました。教頭先生、教務主任の先生、私の3人で話した結果、『班の12年生の私物を3つだけ持ってきてもいい』と、使える物の対象をより限定しようとなりました。

ところが、「取りに戻る時間がもったいないよね。」ともう一度悩み出した教頭先生。数秒考え込んで、「『体育館に移動する時、何か1つ自分の持ち物を全員持ってくる』はどうかな?」と、新しい案を出してくださいました。確かにそれなら、時間を有効活用できます。あえてどんな活動に使うのかを言わずに『持ち物を1つだけ』とすれば、子ども達が持ってくる物は様々で、工夫の仕方も班ごとで幅が出るでしょう。


急遽ルールを変更して実施することになった青空協室。狙い通り、子ども達が持ってきたものは実に多種多様でした。ランドセル、リコーダー、傘、本、したじき、おはじき、赤鉛筆一本…。使える物がばらばらなため、工夫のポイントも様々でした。

傘に「55cm」とシールが貼られているのに気が付き、それを物差し代わりに使う班。



ランドセルのように大きな物がない班は、どうにか高さを出そうと本の置き方を工夫していました。
持ってきた物だけで自立させるのが難しかったのか、壁に立てかけて使う班もありました。(ルール説明の時、「50cmを高さにする」としか言っておらず、「立てかけてはいけない」とは言っていませんでした。)


これだけ班ごとに特徴ある工夫をできたのは、教頭先生が妥協せずに「もっと面白い活動にするため、良い方法はないか」と考え続けてくださったからです。ですが、教頭先生が最後に出した案も、一人で考えたわけではありません。現実的な案かどうかはさておき、複数人で「こうしたらどうだろう?」「こんな事ができたらいいよね。」と言い合った結果です。

学校の先生達の意見を取り入れることで、私達が提供するコンテンツもさらに進化します。「官」の中に「民」が入るだけではない、一緒になって作り上げる。そんな官民一体型学校の形が、今回の青空協室で垣間見られました。

○●青空協室の詳しい様子は西川登公民館HPで見られます!●○
【西川登公民館】第2回 青空協室

2017年7月4日火曜日

7月8日(土)橘小学校オープンデーに向けて(富永)

 7月8日(土)に行われる橘小学校花まるオープンデーに向けて、本日打ち合わせを行いました。

 青空協室で行うプログラムの意図・ルール確認をした後、先生達にも実際に体験していただきました。
 子どもの気持ちになって楽しむ先生達。
 実際にやってみるからこそ、学びのポイント、子ども達が困るであろうポイントが見えてきます。先生達の意見をいただきながら、子ども達が取り組みやすいようにルールなどを修正しました。花まるスタッフだけ考えるよりも、良い内容になりました!

橘小学校のオープンデーは下記日程で行います。

【日時】2017年7月8日(土)
    8:25~11:15
【会場】武雄市立橘小学校
【スケジュール】
    8:10 受付
    8:25~8:40 花まるタイム
    8:45~9:30 なぞぺー授業(4年教室・6年教室)
    9:45~10:30 青空協室(体育館)
    10:45~11:15 説明会(多目的室)

2016年11月14日月曜日

第20話 立場が人を育てる (花まる:前原)

118日に「官民一体型学校」の一つ、朝日小学校で「13年生」だけを対象にした青空協室を実施した。
武雄で実施してきた青空協室のほとんどは、「16年生」が集まって実施しており、56年生が班のメンバーを引っ張ってまとめてくれている。活動を繰り返す中で、「どう伝えると、下級生は動くのか」が経験で分かってくるので、上級生は自然とリーダーシップを発揮してくれるようになってくる。
ただ、朝日小は全校生徒400人以上。とてもではないが、「16年生」が全員集まって動いて・・・ということになると、運営上難しい部分が出てしまう。ということで学年を分けて実施をしているのだが、「13年生」という括りで行う青空協室は初めて。当日まで、どうなるか未知数な面がたくさんあった。
みんなで頭を突き合わせて相談中…!
特に3年生がチームを引っ張る立場になるという点が、最も未知数であった。「自分たちが引っ張るんだ・・・」と3年生自身も不安だろうと思い、事前に私から「当日こんなことをするよ!」という話は少ししていた。それでもやはり不安。3年生くらいだと、楽しいことが目の前にあると、どうしてもそっちに気を取られ、突き進んでしまう時もある。その中で、「みんなで楽しんでやる」という目的で活動できるのかどうか・・・。



どうだろうか~?と、半分わくわく、半分どきどきの入り交じった複雑な気持ちで体育館に足を運ぶと、集合5分前にも関わらず、3年生が班ごとに別れ、12年生を出迎えるよう待ち受けていた。もちろん、担任の先生のお手伝いもあってなのだが、「今日はぼくたち、わたしたちがみんなを引っ張ります!」という気合いがびしびしと伝わってきた。「お、今日は3年生の新たな一面が見られるのでは?」と、私の心の中は、わくわく感でいっぱいになり、元々心にあったどきどきはいつの間にか消え去っていた。

 活動が始まり出すと、子どもたちの動きが更に良くなる。
 「ピクチャーリーディング」というプログラムでは、全員で顔を付き合わせて写真を見ながら、「この写真は~を撮ったやつじゃない?」と話し合っている。12年生が置いてきぼりにならないよう、「これ、どこの写真か分かる?」としっかりと会話に入れる。みんなで問題をシェアして、考える姿は大人顔負けだ。
シューズのサイズを使えばいいんだ!と細かく測っていますね!
 続いて、「ぴったりメイキング」というプログラム。体感や身の周りの物を駆使して、しかし定規やメジャーは使わずに、お題の長さになるように物を並べたり、タワーにしたりして表現するプログラムなのだが、ここでも3年生が「みんなのシューズを使おうぜ!」「~くんの身長は何センチ?」とどんどん話しかけている。

 活動中、私はそれぞれの班の様子をチェックしながら見回り、時には班の12年生に話を聞いてみるようにしていた。
 例えば「ピクチャーリーディング」では、「今何を探しているの?」や、「どれくらい見つけられた?」と聞いてみた。すると、12年生からしっかりと「今ね、~探しているんだよ!先生、ヒントちょうだい!」「今ね、6個!あと少し!」と答えてくれることがほとんどだった。これらの回答からも、下の子たちが活動に入り込めている様子が伝わる。ということは、3年生がしっかりと巻き込んでいるという表れとも言える。

どれくらいの大きさかなぁと真剣に測る様子が伝わりますね!
 活動前の3年生の姿をもう一度思い返してみる。繰り返しにはなるのだが、彼らの姿からは「今日はやってやるぞ!」という気合いが満ちあふれていた。「こうやって声をかけよう」「引っ張っていこう」ということは、言葉で教えるだけで、できるようになることでは無いと思う。「自分たちがなんとかせんばいかん!」という立場になり、行動してみたことが彼らの心を大きく変化させている。
 「うちの3年生の息子がかっこよく見えた」と帰りに伝えてくれた保護者がいた。それは上手くまとめていたという結果ではなく、必死に班のメンバーのことを思い、行動する姿を見ての感想だという。そういう姿があったから、12年生も自然とついていきたくなったのだろう。


 「立場が人を育てる」。よく聞く言葉であるが、改めてその言葉の意味を強く感じることのできた一日であった。

2016年8月8日月曜日

第15話 「武雄初!保育園での青空協室 」 (花まる:前原)

729日に、武雄市立朝日小学校(今年度より官民一体型学校となった学校)のとなりにある、「あさひ保育園」にて、年長クラスのお泊り保育のプログラムの一環で、青空協室をさせていただいた。
きっかけは、懇意にさせていただいている、あさひ保育園の園長先生との会話から。

「せっかくとなりの小学校で花まるのメソッドを取り入れているのだから、保育園でも少し体験させて、子どもたちに『小学校が楽しみだ!』と思ってもらいたい。また、園の保育士たちにも、『今小学校でやっていること』を知ってもらうことは、今後の保育にもつながっていくと思う。」

現在、武雄市では、「幼保小連携」の強化が進められ、幼稚園の先生、保育園の保育士、小学校の教員での合同研修や、相互参観はもとより、日常生活レベルでの連携がより図れないか、各現場で協議がされている。もちろん、日常レベルでの交流(3年生と年少さんの交流や、5年生と年長さんの交流など)を行うことによって、子どもたちのつながりは作られていくだろう。ただ、この「幼保小連携」では、教員や保育士が、現場で主体的に頭を働かせ、子どもに触れ合わなければ、互いの現場で大事にしていることは、身に染みないと思う。
この視点からも、学校で行っている花まるメソッドを生かした青空協室を、保育園の年長さんでも楽しめるような運営方法・内容でやってみる、ことには非常に意味があると思い、実施をしてみた。
青空協室は、もともと「16年生までの子どもたちが、男女混合で構成された縦割り班ごとに分かれ、五感をフルに使い、チーム内でコミュニケーションを取りながら、チームで課題を解決していく」活動である。
体を動かして表現をしてみたり、あらゆるところまでものを探してみたり…ということに関しては、園児のほうが、小学生以上に何の抵抗感もなくやれてしまうだろうという期待は大きかった。一方で「自己主張がまだまだ強い5~6歳の年代で、集団での活動はできるのだろうか…」という考えがなかったわけではないが、「集団」は小学校に入れば、通ることになる道であるので、体験を通して、「集団で何かをする楽しさ」を肌で感じてほしい、そう思い、小学生同様に「集団でやる」こともメインの目的の一つとした。

当日行ったプログラムは以下の3つ。
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「聖徳太子!」…チームを2つに分け、言葉を話す側と聞く側に分かれる。話す側には「2文字」の言葉を割り振る。数メートル離れたところに立つ、聞く側の子どもたちの耳に届くように、元気な声でチーム一斉に読む。ほかのチームも一斉に読むため、聞く側は耳だけでなく、口の動きを見る工夫や集中して聞くことが求められる。

「形さがし!」…こちらが指定した形(しかくやさんかくなど)を園庭からたくさん探してくる。ほかのチームよりもより多く探せるよう、チームで動きながら、日ごろ活動している園庭を様々な角度から見てみる。

「なりきりモーション!」…班ごとに割り当てたお題(動物園や水族館)の一場面を、班で役割を決め、演じ切ってもらう。「こう演じればいい」という答えがない中で、どう演じればわかりやすいか、また見ている人が面白いと思えるのか、突き詰めれば突き詰めるほど、面白さが増すプログラム。
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じゃ~ん!ゴザは広げると四角になるよ!
この発想には驚きです!
や③では、保育園の子どもたちは、小学生や大人にはなかなかない視点で園庭を見つめたり、場面を演じたりしていた。
 子ども達なりの考えを表現したり、発揮したりする場となり、みんな「やりきった!」という達成感を持った様子だった。

特にでは、自分が演じているものを、見ている子どもたちにあててもらえることで、嬉しそうに「正解!」と言ったり、「OK!」と合図を出したりと、受け止めてもらえた感動が、子どもたちの顔からたくさんこぼれていた。


では、「集団活動」という面においては、どういう様子を見せてくれたか。
それもこちらの考えを裏切る形で、子どもたちは頑張ってくれていた。
1つ目のプログラムの「聖徳太子!」にて。とある班が、自分たちの班に配られた紙を見ながら、小さな円になって集まり、小さい声で「~~!」とそろって読む練習をしている。班に一枚、紙を配ると、「ぼくが持つ!」「わたしも見たい!」といざこざが起きるのだが、この班はみんなで見られるように、また練習をできるように、工夫をしている。
私がすかさず「〇〇チームは、何やらみんなが見られるように、集まっているね!練習もばっちり!チームワークがばっちりだね!」とみんなに聞こえるように言うと、他のチームも真似をしてくる。次のお題になると、今度は自分たちから集まってみようとする。私からは、「どのチームもみんなで見られるように工夫をしているんだね!すごいなぁ!」と、頑張りを認める。そうなると、2つ目の「形さがし!」でも、チームで探す、動くという様子が行動に表れてくる。
もちろん、まだまだ周りの子の話を聞いてあげる、周りの子の話をさえぎって話はしない、など、これから視野が広くなったり、他者性が育ったりする中で、身につけてほしいこともあるのだが、まずは「チームのみんなと楽しめたなぁ!」という感覚をもって帰ってもらうことはできた時間だと思う。
  後日、園の先生から反応を伺ったのだが、「保護者さんたちからも、『本当に楽しかった!ということが、子どもたちの言葉だけでなく、表情からも伝わってきました!』と好評の声がありました!」という報告や、「私たちでは考えつかないような、また普段は見られないほど考えている一面がたくさん見られて、よかったです!」という声など、好評の声が多数。来年も是非とも!という声が、早速出てきている。ありがたい話である。

 今回のように、小学校でやっていることを、保育園でもできるよう、その年代に合った形と難易度に変更して、やってみる。我慢のできる小学生と異なり、興味が次から次に移ってしまう園児相手であると、苦労することもたくさんあるだろう。ただ、今回のような実践を通して、先生たちからも「またやりたい!」という声があがっていることは大きなことである。何より、活動中の子どもたちと先生方が躍動している姿がたくさん見られたことは、やらせていただいた立場として、非常にうれしかった。今後もこのような活動を増やしていきたいと思っている。

2016年7月14日木曜日

第14話 「周りを楽しませる力」(花まる:前原)

77日に武内小で行った青空協室にて。
今回実施したプログラムは、「たけうちクロスワード」。学校にある物、学校にいる人に関するクロスワードを、班で解いていきます。
1011人構成の班を、実際には「146年生」グループ、「235年生」グループに分けて、56人単位で協力して進めていきます。

5年生のKくん。今回のプログラムでは上述の通り、班を分けて活動させたこともあり、彼は一緒に行動するグループの中で実質リーダーという立ち位置でした。
普段の様子から考えると、彼は班の中でも、自分1人で解き進めようとするタイプ。自分でクロスワードの問題を読んで、「~に答えがあるから行くよ~!」と自分が解いて、みんなをついてこさせる姿を想像していました。

ところが、今回はその想像をいい意味で裏切ってくれました。


例えば、「音楽室の下にある部屋は、〇〇〇〇室」という問題。彼であれば、 すぐにわかるはず。「家庭科室だから、確かめに行くよ!」と言ってしまうのか…と 思っていたところ、 「『音楽室の下にある部屋は〇○○○室』だって!分かった人いる?」とグループの下級生に聞こえるように問題文を読んであげ、考えさせる時間を与えたのです。

他の問題でも同じように、グループ全体に問題を読んであげ、わかった子がいたらその子の意見を反映させたり、自分が分かった時はもちろん答え、わからないときは、みんなをひっぱって探しに行ったりと、まさに「グループのみんなが青空協室を楽しめるように持っていく」リーダーとして、大活躍!

結果的に、Kくんのいたグループが全体の一番でした。ただ、この結果は、Kくんのリーダーシップにより導かれたのだと思います。この班の下級生は「今日の青空協室、たのしかった!」という気持ちで終わることができたことでしょう。
「ここはどうだと思う?」高学年が、下の子にも考えさせる
声かけを上手にしてくれています!

チームで物事を進めるとき、大事な視点の1つは、「活動するにあたって、このチームにいる人がみな幸せなのか」だと思います。活動の成果をよくすることももちろん大事なこと。しかしそのチームでの活動自体は、どんな成果であったとしても続いていきます。ともに取り組むチームのメンバーが前向きに活動をしているのか、 どうやったらそういう環境を作れるのか、こういった視点をリーダーが持てば、活動の質もあがり、チーム力も上がっていくと思います。

今回の青空協室でのKくんの姿から、将来の彼の姿が目に浮かびました。
「ともに働く仲間が輝いて仕事をできるチームを創り上げ、そのチームのメンバーを率いて世の中に影響を与える」姿です。
彼のこれからのさらなる成長が、非常に楽しみになりました!
「チームみんなが幸せか」、このような視点を、繰り返しの活動を通して、養うことができるのも青空協室の醍醐味です。